1か月に一度、仕事で熊谷に行っている。その日はここで昼ご飯を食べる、と決めている蕎麦屋さんがあって、今日も11時、オープンと同時に店内に入った。店員さんがちょうどのれんを出している時に「おはようございます」と声をかけたものだから、きっとびっくりしたことだろう。
蕎麦屋さんだけれど、ここではうどんと決めている。カレーセットを注文し、待っていたら、すぐに2～3組のお客さんが入ってきた。そしてそのうち2組が、かき氷を注文していた。そうだ。ここはお蕎麦屋さんであると同時に、いま人気のかき氷屋さんでもある。
紫色のシロップがたっぷり入った山盛りのかき氷をほおばっているお客さんを横目に、カレー丼とうどんにがっつく男。お蕎麦屋さんなのだから堂々としていればいいのに、なんだかここではかき氷を注文すべきなような気がしてきて、少し肩をすぼめてカレーとうどんを食べた。
ちょっと挑戦したい気持ちはある。ただ、どういうわけだか、男一人でかき氷を注文する勇気が出ない。
