心を波立たせないこと。松浦弥太郎さんの本に何度か登場するこの言葉を、いつも自分に言い聞かせて過ごしている。いつも言い聞かせている、と言ったのは、意識しないと実践できないからだ。何かあるとイライラし、ドキドキし、ヒリヒリする。もういいオトナなんだから、ちょっとやそっとのことでは動じない心で、どんと構えて過ごせばいいのに、といつも心の中の自分が言っている。けれど、穏やかでいること、それがなぜだか難しい。小学生くらいの頃は、「自分の短所は、短気なところです」と言っている友達がとても多いことに驚き、「短気って、何?」「みんななんでそんなささいなことで怒ってるの?」と思っていたくらいなのに。人間は成長と共に成熟していく。ただし退化することもある。そういうことなのかもしれない。
いま、自分が不機嫌を爆発させてしまいそうなときに、意識して頭に描く曲がある。なんでそれ?とびっくりされるだろうけれど、LUNA SEAの「静寂」という曲だ。タイトルからして「穏やかであれ」と自分に言っているようだけれど、それだけではない。イントロ、Aメロ、Bメロ、サビと、どんどんと拍子が変わる不規則なリズムがなんだか心地よい。1回目のサビと2回目のサビも拍子が違う。変則的なリズムを身体を揺すりながら追っていく。そうしていると多少心が落ち着くように感じるのだ。静まれ、自分。波立つな、自分。穏やかに、自分。