「読む」ことと「書く」こと

「読む」ことと「書く」こととの関係は、呼吸に似ている。そのことを若松英輔さんの本で読んで、なるほどと思った。

 

これまで自分は、本を読むことだけを呼吸ととらえていた。読書は別に崇高なことでもなんでもない。ただ読みたいから読むものであって、他人から読みなさいと強要されて嫌々読むものではない。仮に他人から禁止されたって息を吸って吐く。それと同じだ。たくさん読むことそれ自体をもって他人から尊敬されるものでもないし、逆に読む本が少ないことそれ自体をもって他人から軽んじられるものでもない。量はどうであれ、本を読む=当たり前だという意味で、本を読むことを呼吸にたとえていた。

 

しかし、本当はそうではない。本を読むだけでは息を吸っているだけと同じだ。息を吸ったら、吐かなければならない。また、吐かなければ、次に吸うことができない。読んだら、書くことで出力しなければならない。書くことで、これまで表現しえなかった自分の想いに言葉を駆使して姿を与えることができる。そのことに気づき、読むことと同じくらい書くことを大切にしたいと思った。

 

「吸う」は「読む」です。「吐く」が「書く」です。深く吸うためには深く吐かねばなりません。ですから、よく読みたければ書かなければならない。よく書きたいと思えば、読まなければならないということになります。

 

「書く」とは、言葉によって未知なる「おもい」に「姿」を与えようとする営みです。 

 

14歳の教室 どう読みどう生きるか

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