猫を

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猫を迎えた。保護猫だ。

 

育ての親から譲りうけたその猫は、びっくりするくらい人に慣れていて、落ち着いていた。最初こそ「ここはどこだ?」と不安がっているようにも見えたけれど、徐々に慣れてくれたようで、なでるとコロンと転がって腹を見せてくれる。さすってあげると喉をゴロゴロとならし、まんざらでもなさそうだ。もしかしたら自分は犬や猫に警戒されるような風貌をしているのかもしれないと思っていたものだから、その大胆さに驚き、そして嬉しかった。

 

いつも自分が座っている椅子にちょこんと乗ってくつろいでいるその猫を見て、自分もぼんやりする。座面のファブリックがお気に入りなのだろうか。もしくは自分の匂いに安心したのか、なんて淡い期待をした。

 

これまでの猫のイメージを覆すくらいの、穏やかな猫を迎え入れることができた喜びを、かみしめている。と同時に、ひとつの命を預かる責任の重大さに、いまになって怖気づいてもいる。