1からはじめる

これまでに蓄えてきた知識や体験を一旦リセットして、新しいことを一からはじめる。そのことにこれだけ恐怖を感じるとは思っていなかった。もっと自分は堂々として良いはずで、逆境に負けないそれなりの強さがあると思っていたから、その感情に気づいたときは正直幻滅し、情けなさを感じた。けれどいまは、その感情も何となく受け入れている。その行動を起こすことに恐怖を感じるということは、その行動を起こすことによって生じうるリスクを察知して、注意せよと自身が警告を鳴らしているのかもしれない。もしくは、そういう逆境のさらにその先に、目指すべき成長が待っているのだと暗示しているのかもしれない。どのように捉えるかによって、行動を起こすための勇気の量が変わる。

 

これまでの仕事のやり方を繰り返すのか。それとも、そこに発展を望むのか。後者を選ぼうとするのだけれど、自分にそのための勇気がないことに気づく。そんなとき、どう考えたらよいのか。その問いに対する答えがあるような気がして、ふいに本棚から取り出し、ページをめくった。いま自分が注意して考えるべきはここにあるのだという、割と確信に近い予感がある。

 

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