未来はみないで

楽しみにしていたTHE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演が、延期となった。本当だったら、昨日は彼らとおおはしゃぎをして、自分の体内に新しいエネルギーを注入して、またこれから仕事をがんばろう、と気を引き締めていたのだ。奇跡的にもチケットをとることができ、4月までの時間の長さにちょっと気が遠くなったけれど、それでも楽しみは先の先までとっておいて、それまでがんばろうと思いながら過ごしてきたのだ。まさか、目に見えない敵によって公演自体に影響が出るとは思ってもいなかった。結局昨日は、外へ出ること自体に恐怖を感じつつあるこの状況で、それでもずっと自宅というわけにもいかずやることもあったので、振替公演の実現を願いながらチケット引き換え手続きをして、用件を済ませて、じっとしていた。

 

自分の気持ちを正直に言うと、大好きなロックバンドのライブが、しかも自分が参加するそのライブが、当日実施できないと分かったその瞬間、悲しさよりも、「安心した」と思った自分に、驚いた。今この状況で、「それでも演ろう」ともし決断していたら、きっとバッシングを受けていたに違いない。だから、中止や延期を選んでほしい、と心の中で思っていたのだ。文字だけ見ると、ファン失格だ。けれど実際そう思ったんだから仕方ない。

 

たとえライブをやるとしても、怖くて行けません。だから自粛します。なので中止なり延期なり、はやくオフィシャルな発表をしてほしい。そういう意見をネットで見た。ここに関しては、自分は少し違う考えだと思っている。確かにいまは、怖くて人混みに混じることには抵抗がある。自分が良いか悪いかではなくて、自覚症状がないだけで(そんなに自分の免疫力に自信はないけれど)自分が加害者になるかもしれないと考えると、やはり行きたくないだろう。でも、自分がたとえ行けなくても、ライブをやることをもし彼らが決断していたら、それを支持していたと思う。自分が当日参加できなくても、ライブをやったという事実は残るんだし、あとで映像を観る機会に恵まれるかもしれない。チケットが取れたライブに自分が行けないくらいなら、いっそ中止してほしい、という考えはなかった。

 

結果、彼らは「延期」を選んでくれた。充電期間を前に、そのスケジュールさえ延ばして、まだチャンスはあるという希望を残してくれた。まずはその希望の綱をしっかりと握って、実現を祈りたい。

 

「未来はみないで」を聴きながら書いている。2016年の再集結にあたって最初に世に放つ予定だった曲だと聞いた。その後、さまざまな巡りあわせを経て、第2期の集大成のような曲となった。「また会えるって 約束して」この言葉が、意図しないものであれ、いまのこの状況と重なって身にしみるのが、嬉しいのだか、つらいのだか・・・。

 


THE YELLOW MONKEY – 未来はみないで (Official Music Video)