Y:THE YELLOW MONKEY

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自分が覚えている最初の記憶、それはテレビの音楽番組で「球根」を歌っている姿だったと思う。それよりも前の曲、例えば「楽園」だったり「SPARK」だったり、これらの曲も知ってはいたのだと思うけれど、「球根」の時ほどの衝撃は受けなかったのだろう。長い髪を振り乱し、眉間にしわをよせながら、ギターをかきむしりながら叫ぶ。その姿のかっこよさとサビの高揚感は、当時中学生の子供が味わったことのないものだった。

 

2016年。再集結後の彼らは15年前から衰えることなく、むしろいまが一番かっこいいんじゃないか、という素敵なバンドの年の取り方をしていて、嬉しかった。身勝手だけれど、「あの頃の方がかっこよかったなあ。いまはちょっと違うなぁ」とは思いたくない。だからいまの、年をとったなりの堂々とした立ち振る舞いで、しかし若いころのエロい曲も歌ってしまう、そんな彼らが好きだ。

 

 

彼らにとって初めてとなるドームツアー。その最後を飾る東京ドーム公演が、延期となった。「中止」ではなく「延期」としてくれたところに、彼らの優しさ、強さを感じたけれど、その直前に、この公演を最後に表立った活動を休止し、充電期間に入るということをニュースを通して知ったので、複雑な気持ちでいる。彼らが再始動後の活動をきちんと締めくくるということを、社会は許してくれなかった。振替公演は決まるのか、それが社会的に歓迎されるのはどれくらい先になるのか。霧で覆われたように前が見えないいまの状況にこのイベントが重なってしまった不運。自分は、ひとまずチケットをなくさず手元に置いておき、彼らへのリスペクトを表明することもできるから、まぁいいか。

 

渾身のアルバム「9999」を聴きながら、大好きなロックバンドがいまもかっこよく居続けていてくれる幸運を想う。「ボナペティ」他未収録曲とツアーアルバムを含む完全版は本棚に大切に置いている。ボナペティ=どうぞ召し上がれ。そんな軽く、おもてなしするように曲を作り続ける彼らと一緒に、この苦難を乗り越えたい。