自分が好きなものや、おすすめしたいものを、他人に伝えること。そう言えば、何も特別な技術ではないと分かる。「私は彼のこの部分が大好きです」「私はこの住宅のここが住みやすくていいと思います」プライベートで自分の好きなものに共感してもらえれば嬉しいし、仕事であれば、自分が提供するサービスの良いところを積極的にアピールして、共感してもらうことがなにより大切だ。そのことを「推す」という一言で表現する。プライベートでも、仕事でも、何かを「推す」力が実は求められているんじゃないかと思った。
■好きなところは「3ポイント推し」(P99)
あれもこれもと言いたいことを並べるのではなくて、3つに絞って伝える。しかも最後の1つは変化球で「その角度からきたか!」と驚くような視点で。3つに限定することで話の輪郭が明確になり、相手の聞き応えが増す。
■誰もが知ることを推すときは自分の体験を絡める(P122)
自分の体験談は唯一無二。ありきたりでない自分だけのストーリーとあわせて話すことで、「それでそれで?」と思ってもらえる。
■凡才だからこそ、報われない天才の苦しみが理解でき、それを一般人にも共感できる形で伝達できる、そんな中間の存在になれる(P214)
例えば自分はクリエイターにはなれないけれど、どれだけすごいクリエイターがいて、その作品がどれだけ素晴らしいかを、他人に共感してもらえるように噛み砕いて伝えることはできる。そういう中間の存在こそ、自分が担える役割なのではと思ったばかりではなかったか。
日曜日、ちょっと駅前に出かけて、いつもの本屋でふと目に入った本のタイトルが目をひいた。「推す」ということを、もっと堂々とやっていきたい。