止めてはいけない

 

「止めてはいけないと思った」彼のその言葉が頭から離れない。喉の調子が良くないこと、体調がすぐれないこと。そういったバンドのトラブルに襲われながらも、「自分はこのままステージに立つ資格があるのか」と自問する日々であっても、それでも活動することを選んだのは、彼らが、止めてはいけないものを動かすことに対して覚悟を決めたからに他ならない。「覚悟」という言葉がキーワードになった今回のツアーファイナル東京ドーム公演、私は、ツアーファイナルという一言では括れない何かを与えられたような気がした。

 

良かった点を細かく挙げていくときりがない。東京ドームというメモリアルなライブであることから、過去アルバムツアー構成曲だけでなく最近の曲も演奏してくれるのではないかという期待はさらっと裏切られたものの、そこに過去曲に対する自信を感じたこと。発表以降30年にわたりライブで一度も演奏したことがないという幻の曲「FAKE」を演奏したこと。「RA-SE-N」と「VIRGIN MARY」でRYUICHIの鬼気迫るヴォーカルを聴けたこと。「LOVE SONG」と「FOREVER&EVER」で感動し、終幕時の思い出が込み上げたこと。一曲一曲が壮大で、ずっしりとした音を全身で浴び、彼らが未来に見据えている光を自分も見ることができたのだと感じられたこと・・・。ただ、それら一つ一つの事実を凝視するよりも、ライブ全体を通して受けた力そのものに、着目したい。

 

そこから得たものは、前回のライブ参加のあとの3年間、忘れがちになっていた「真剣に、全身全霊で自分の役割を全うしよう」とする姿勢だ。そして何より大きいのは、自分が『止めてはいけない』と思ったものを、覚悟を持って動かし続ける、そのことへの勇気だ。

 

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