夜の闇と珈琲

好きな作家さん、HASHIOTO HIROMIの今年最後の個展で、笹塚へ。平常時は私語厳禁、必要最低限の言葉以外は筆談でお願いします、というくらい静寂を大切にする喫茶店「シャララ舎」は、去年の個展で初めて来て以来だから、1年ぶりになる。その間、行こう行こうと思いながらも行くことができずに、とうとう1年が経ってしまった。それでも去年と全く変わらない独特の空間を提供してくれるその喫茶店が好きで、今度は個展に関係なく来ようと強く思った。

 

https://shalalasha.com/

 

コーヒーをモチーフにした一つの物語を小さな絵本にして、その原画を展示している。最初に物語を知らずに原画を見て、どういう世界なんだろうかと思いをめぐらせる。そしてそのあとで絵本をみ、物語をつかんでから再度原画を見る。すると細部の風景の意味が自分なりに分かる。結果的に、2度楽しめた感じだ。

 

夜の静かな世界が、コーヒーのもつ苦さと重なる。闇の中で身を任せることと、コーヒーの中毒性に身を委ねることが、まるで同じ営みのようだ。

 

http://www.hiromi-hashimoto.com/