落ち着いて自由が丘を

街に活気が戻っているのを、外を歩きながら感じる。

 

ちょっと買い物へ行こうと駅の方へ向かうと、自由が丘の街にはたくさんの買い物客が集まっていた。コーヒーフィルターを買おうと立ち寄ったTODAY’S SPECIALはいままで見たことないくらいの客の多さ。土曜日の昼間だから仕方ないか。お目当てのコーヒーフィルターだけ探してすぐレジに向かい、そそくさと後にする。ここは人気でいつ来ても満員だから、平日の夜、閉店間際に来てさっと見てまわるくらいがちょうど良い。

 

駅前の不二屋書店にしてもDALTONにしてもそう。通路で人とすれ違う余裕がないことの方が圧倒的に多く、自由が丘の事務所で9年仕事をしてなおかつ去年からは居住してもいるというのに、いまだにこの混雑には慣れない。自分にはどうしても遠く離れた街というか、「お前のような価値観の人間なんか求めてないよ」と街に突き放されているような気がして、どうも落ち着かない。

 

自由が丘が好きな人からは「贅沢言うな、住んでるだけでうらやましいのに」なんて言われそうだ。でも仕方ない。自由設計でつくった住まいは大好きで、愛着を感じているけれど、自由が丘であることを理由に住み始めたわけでは決してない。学園通りや自由通り、すずかけ通りから一本住宅地内に入ったとたんに密度から解放され、ほっと一息つくような始末。もっと自由が丘を、落ち着いて楽しめるようになりたい。