自宅図書館

自分が買った本を、自分の本棚に置いて抱え込むのではなくて、自分以外の人と共有させることができたらいいなあと思っている。自分の蔵書をひけらかすとかそういうことではなくて、誰でも気軽にアクセスすることができる「経路」をつくりたい。きっかけは「共有地をつくる」(平川克美/ミシマ社)を読んだことだ。身のまわりのものを私有するのではなくて、共有する。公的なものとして開放する。その考え方に共感し、それに近いことができたらいいなあ、と思ったのだ。

 

例えば、買った本(読み切っていない積読本はもちろん、アンダーラインや手垢で汚れている本、蔵書票を貼ってしまっている本なども含む)はすべてデータにして公開する。誰でも見ることができて、気になる本があったら問合せをもらう。期限を決めて貸してもいいし、買ってもらうのでも良い。自宅に読みに来てもらうのでも良い。つまり、「自宅の本棚=自分の本」という等式をなくし、みんなのものとする。自宅を図書館化するというのに近い。

 

実現させている人はきっともういるのだろうと思う。斬新なアイデアとは言えないのかもしれない。ただ、ストレスなく、ハードルもなく、気軽に蔵書を公開して、そこから他者の「この本、私も興味がある」へとつながったら面白そうだ。何より、大半は眠っている本の価値を高めることができる。