お祭りが嫌い

自由が丘に引っ越してきて3年半。通勤し始めた時から数えると11年以上経った。それなのに、いまだに休日の賑わいぶりに慣れない。いやむしろ耐えられなくなってきている気がする。

 

駅周辺では今日、明日と女神まつりが開催。駅のロータリーにステージができ、そこでイベントが行われている。道路沿いにテントを立てて出店しているお店がある。テーブルと椅子が並び、たくさんの人が集まっている。そんななかで、仕事があって真っすぐ駅へと向かった。

 

夕方、駅に着いたらロータリーのステージで誰かが大きな声でしゃべっていた。マイクの音量はまあ普通なのだろうけれど、耳が痛いほど声が大きい。前からの人をかき分けるのに一苦労する。そう言えば・・・さっきの電車内、渋谷で一緒に乗ったやたら声の大きい外国人数人が突然「スタンド・バイ・ミー」を本気で歌い出したときは、乗る車両を間違えてしまった後悔で頭がくらくらすると同時に、その底なしの上機嫌っぷりに笑いそうになった。悪意がなさそうであるだけに、想いのぶつけどころがなくて困る。電車内で窒息するかと思うほど苦しんだのは久しぶりだ。

 

ようやく電車を降り、もうすぐ家だとほっと深呼吸したところに、ロータリーのステージ。あれ、自分ってこんなに祭りが嫌いだったっけ、と自分に驚く。早く静かな場所に帰らせてくれ。

 

家では家でYouTubeをダラダラ観たり、音楽をかけたりと、決して静かにしているわけではない。それなのに、なぜ。大声を許容できるときと、それができず静寂を欲するときと、自分にはその両方の時間がどうしても必要なのだ。