久しぶりに訪問したコーポラティブハウスにたどり着く直前に、ぽつぽつと雨が降り出してきた。ついてないなあ、でもまあ、とりあえず雨宿りもできるから良いか、と思っていたら、雨は急に土砂降りになり、気づいたら雹になっていた。床タイルに氷の塊がぶつかって弾む。行動がもう10分遅れていたら、雹に降られて痛い思いをしていたに違いない。こういうとき、傘を持って家を出ないことを悔やむ。
けっこう大きい雹だった。この氷が空のかなたから落ちてきたのか。これはもはや凶器だろう。そんな怖さと一緒に、遠い空の向こうで凝結した塊に地球の壮大さを思う。地面に落ちるまでの時間、手の届かない遠くの空気を浴びて、それでも溶けずに落ちてきた氷に、うまく言葉で言い表せられない神秘さを感じた。数分の間、気が気ではなかったけれど、なんだか心が洗われたような気にもなった。
雹が雨に変わり、そしてすぐに止んだ。数十分経った帰り道、空を見たらあの雹が嘘のように晴れていた。