2周目に差し掛かる頃

夕方。小雨が降り、涼しくなってきたタイミングで、ジョギング。いつも1周だけ走っているコースを、2周走った。走り出したら久しぶりで調子が良く、すぐにランナーズハイになった。だから2周行けそうだと早い段階で思った。

 

しかし1周目の終わりに差し掛かるころには胸が苦しくなり、足が重くなった。ここで頑張りすぎると続かなくなりそうだ、という不安が襲った。しかし「よし、今日は2周走るぞ」ともう決めてしまったので、やっぱり駄目でした、と止まるわけにはいかない。なんとか2周目に入ることができた。

 

この、「いつも1周走っているコースを2周しようと決めた時の、2周目に入ろうとする頃」の苦しさがいつも苦手だった。これまでのきつさをもう一度身体にしみ込ませなければならない。気が遠くなる感覚もある。しかしここで、この「2周目に入ろうとする頃」を楽しく味わえるようでなければならない、と思った。そう思ったら、いつの間にか、といったら大げさだけれど、走り切ることができた。

 

2周目に差し掛かる頃。この精神的に厳しい時間帯の苦しさを克服することができれば、これから先、ジョギングに限らず、自分の目の前に困難が現れて、先が見えないような感覚にとらわれたとしても、気を紛らわすことができるようになるだろう。「ここを越えればなんとかなる」というように。