不要な本

不用品は例外なくタダ。石黒智子「少ないもので贅沢に暮らす」(PHP文庫)を久しぶりに読んで、そうだよな、そのこだわりって大事だよな、と思った。自分にとっていらないのだから、他人にそれを譲る時は、タダ。お金のやり取りはなしにしましょう、と頑なに言い続けてきたという著者の想いが伝わってくるから、自分も共感するからにはそれを実践しなければならない。

 

私は身のまわりのものを友人知人に譲ることはあまりなく、また譲り受けることも少ないと思うのだけれど、捨てるにはもったいないから譲りたいと思うことはある。友人知人であればそこにお金のやりとりを介在させることはほとんどない。けれど、では本だったら?と思う。古本を他人に読んでほしい、と手渡すときにお金をもらうのは一般的なことだ。古本屋はたいていそうだ。

 

だから私は、「大切な本だけれど、他人にも読んでほしいから手放しても良い本」と、「読んでみたけれど正直面白くなく、不要な本」とをきちんと分けようと思う。明確な線引きの基準はない。嘘をついても誰にもばれない。だから自分に正直に、自分の心だけを頼りに、不要な本かそうでないかを区別する。そして、不要な本と判断したら、絶対に有料で売らない。そうしてみようと思っている。