床に並べた本を眺めて

お題「#おうち時間

 

4月18日。緊急事態宣言が出ている真っただ中、そもそも引越し業者が予定通り来てくれるのだろうか、という不安を抱きながらも、引越しをした。外は土砂降りの雨。記憶に残る引越しとなった。

 

荷物もひととおり片付いて、いまは壁面本棚とベッドの納入を待っている。連休明けまでの辛抱だ。

 

壁面本棚がないから、自宅から持ってきた大量の本を置く定位置がなく、床に並べている。無造作に並べられたその本をぼんやりとながめながら、こうしておうち時間を過ごしている。来週からのゴールデンウィーク、ゴールデンなんて言葉を使うから、楽しみで仕方なくなって、それでもむやみに外出できないいまの現状に悔しくなってしまうのだ。たまたままとまった休日があるだけなのだと思えば、いつもと違った過ごし方をしながら、自分の生き方を冷静に振り返ったり、未来のことを想ったりすることができる。

 

床にびっしり並んだ本が、どれもが一度はページをめくったことがあるはずなのに、ほとんど読んでいないものもあれば、読んだ記憶はあってもほとんど内容を覚えていないものもある。そういう本の方が圧倒的に多く、「そうそう、これこれ、面白かったなぁ」と自分の血肉になっていることを実感できる本の方が少ないというのが正直なところ。他人に「これ読んだの?いいね」と言われても、「うん、そうだね」くらいにしか返事できないのが、ほとんどだ。本当はそういう状況に危機感を持たなきゃいけないんだろうけれど、それでもまぁいいか。きっと自分の身体のほんの一部、細胞の一粒一粒に、少しだけ本の言葉がちりばめられているのだろう、という程度でいい。

 

そんなことをぼんやり考えていてら、あっという間に時間が過ぎていく。