音楽の楽しみ方

今月の初め、中学生のころから大好きで推し続けているロックバンドが主催するロックフェスに行った。単独ライブはもう何度も参加しているけれど、「フェス」と呼ばれる形式のイベントに参加したのはそれほど多くなく、今回が2度目(人生最初のフェスが、無謀にもロックインジャパンフェスだった)。充分に楽しめるだろうかという不安を最後まで抱えながらも、それでも自分にとっての二大バンドが同じ空間に集まるという奇跡のようなフェスだったので、チケットが取れたことを「さあ、行ってこい」という神様からの贈り物だと思い、行くことにした。13年前まで勤めていた職場のある海浜幕張駅でドキドキしながら降り、幕張メッセまで雨の中を歩いた。

 

結論を言うとフェスは、これまでにない興奮をもたらすものだった。ものすごい音圧に身体が震えた。各バンドの迫力に徐々に慣れていく自分に対して、おいおいそれでいいのか、この刺激は当たり前のものじゃないぞ、と言い聞かせるのに必死だった。

 

と同時に、自分とフェスとの関係についての立ち位置が見つかった気がした。それは、自分はこうした轟音とどろくフェスでもみくちゃにされながら叫ぶのとは別の形で、つまりは室内で静かに、目を閉じながら、リラックスした状態で音楽を楽しむ方がよい、ということだった。推しているロックバンドに「そんなことはないよ。爆音で聴き、暴れることこそがロックだろう」と怒られるのだろうか。いや、そんなこと彼らは言わないだろう。人にはそれぞれの聴き方、楽しみ方がある。フェスで騒ぐことは私にとってはやはり、(体験できたことは宝だけれど)音楽を味わうための最善の方法ではなかった。それだけのことだ。

 

もちろん引き続き、推しているバンドの単独ライブの機会があったら、できれば定期的に参加して楽しみたいと思っている。ただ今は、フェスを終えて身体に刻まれている刺激が残っているうちに、室内でじっくりと彼らの音楽を味わう喜びを、改めて感じたいと思った。