紳士のバンド

27日はTHE YELLOW MONKEYの東京ドームライブに行ってきた。2020年に活動を休止して以来。長かった。

 

「バラ色の日々」のキーボード音で一気に涙腺が緩み、これまでもがき続けてきた、出口の見えない窮屈さのようなものから解放されたような気がした。観客が一斉に歌うその歌声はいつ聴いても美しく、推しているバンドがある人生の豊かさを実感した。

 

中盤には「人生の終わり」が。喉頭がんの発症から復活した吉井さんの生きざまを示しているような歌詞で、心に響いた。脳梗塞で入院し、楽観的にふるまいながらも自分の命のことを真剣に考えた自分と重なる。

 

続くどこまでも続く この生命力

 

私にとって、今回のライブの一番の山場であり、ライブに参加できた価値を実感できた1曲だ。

 

僕が犯されたロックンロールに希望なんてないよ

あるのは気休めみたいな興奮だけ それだけさ

 

「気休めみたいな興奮を得たいから」ロックを愛するのに、これ以上の理由はいらないのだと思った。それに、せいぜい気休めみたいな興奮しかないのだから、「音楽がないと生きていけない」なんて安易に口にしてはいけないとも思った。

 

君の愛で育ったからこれが僕の愛の歌

 

家族にこんなことを堂々と言えるようであったら素敵だ。

 

今、私にとってのTHE YELLOW MONKEYを一言で表すと、「紳士のバンド」である。紳士になりたい。彼らのように、落ち着いた、しかし時に小学生のようなおちゃめな瞬間もあり、何かが憑依したかのような瞬間を持ち合わせた、大人の男になりたい。