「毎日働く人間」か「定期的に休む人間」か

休みなく毎日のように仕事をして、移動してまわって、忙しく過ごす。そういう日常に一時期憧れていた。過労を自ら買ってでようというつもりはない。そうではなく、休まず仕事をしていても身体が音をあげないくらい、充実した仕事をしていたい、ということだ。いつだったか、テレビで河村隆一が「全然休んでないですね。一日も休んでないです。倒れるくらいまでやりたいんですけど、人間、案外倒れないものですね」なんて言っていて、仕事ってそういうことだよな、と思った。気が進まないことを他者から無理やりやらされて、重労働を強いられる、というような状況だったらつらいけれど、そうでなく自ら主体的に、工夫しながら動く。そうであれば、多少休みがなくてもやっていけるはずだ。

 

一方、前職で自分なりに深く考えて仕事してきて、休日の重要性は身に染みて感じていた。9年間の設計事務所勤務も、土日休みがなければ絶対に続かなかった。その前の建設会社の営業職だってそうだ。入社して間もないころの現場研修は日曜日だけが休みだったから、日曜日の有難さは半端ではなかった。それがなかったらそれこそ倒れていたと思う。毎日有意義に仕事をしたい、なんてのは夢物語に過ぎなくて、定期的な休みを必要とするのが自分の身体の現実なんだ。昨年自営を行うにあたり、会社員のころよりハードルを下げていいから無理しないようにしよう、と決意した。スケジュール帳に予定を詰め込みすぎないように、といつも自分が自分に言っている。

 

「毎日働く人間」と「定期的に休む人間」のどちらを目指すかというのは、決まった考えがなくて、その時の状況によってコロコロと変わる。昨日と今日とで傾向が異なることもある。大事なのは「自分はこっち」と決めることではない。仕事のパフォーマンスが向上するのであれば正直言ってどちらでも良い。働く時間はどうであれ、自分が思ったことをストレートに実行し、よりよい成果を求める。