自分で自分の限界を決めない

金曜日の夜。仕事が終わった!とはとてもじゃないけど言えないような状況で、自分はどうするかと言うと、「明日、土曜日で休みだけど、ちょっと事務所に来てやっつけようか。仮に明日がだめでも、明後日もある」なんて言って、早々に帰りたくなってしまう。それがそもそもいけないんだ。

 

金曜日の就業中にやりきれなかったことが、休みの日にできるはずがない。土曜日の朝、起きて今日は休みだ、と分かった瞬間に二度寝をし、昼過ぎまで寝ているということを繰り返しているんだから、いいかげん自分にできないことくらい気づけよ、と思うのだけれど、金曜日の夜はそうは思わない。そのときとにかく集中力が切れてしまって、もう帰りたいという気持ちが支配し、翌日の新鮮な気持ちならきっと事務所に来れるだろう、と思ってしまう。翌土曜日に平日と同じ気持ちで事務所に行けた試しなんて、ただの一度もないのに。

 

「朝型人間だ」「夜の集中力が他人よりなくて、夜遅くまで仕事ができない」「休日は身体が休みモードになってしまうから、仕事はできない」「百歩譲って休日に仕事は仕方ないにしても、自宅で仕事なんて無理だ。サボるための道具がそろいすぎて、集中できない」これらはすべて、自分が自分に対して思っていたことだ。自分で自分をこういう人間だと定義づけている、と言ってもいい。こうして、自分で自分に暗示をかけてしまっていて、いつの間にか本当にこういう人間になってしまったのかもしれない。

 

「自分で限界を決めるな」なんて言葉を聞くと、なんて気障な、少なくとも私は自分の限界を決めるようなことはしていないぜ、と言いたくなるけれど、先の自分への定義づけも、自分の限界を決めていることと同じなのではないかと、恥ずかしながらつい最近、気づいた。夜に弱いなんて、いったい誰が言ったんだ。確かに集中力が低下して帰りたくなることは多いけれど、逆にアドレナリンが分泌されたかのように集中力を発揮して作業を進め、気づいたら終電間近だった、なんて日もあったはずだ。私はこれができない人間なんです、と決めつけるのは、ただ単に他人からそういう人間だと思われたい(さらに言うと、こういうダメな面もあるけれど、その裏返しでこういう強みがあるんですよ、ということを他人にアピールしたい)だけなのではないか。

 

自分で限界を決めちゃうことほどばかばかしいことはない。だから今日は、思いっきり仕事したっていいじゃないか、でも事務所へ行くには時間がかかるしその時間がもったいないから、自宅でやればいいじゃないか、と思えたので、自宅パソコンでgoogleの仕事アカウントにログインできたし、仕事メールもできた。これができるできないの違いは、大きい。

 

「自分で自分の限界を決めない」そんなの言われなくても分かってるよ、と蹴散らすんじゃなくて、自分の行いを見直そう。そう思うきっかけになった。