美しい希望の季節

THE YELLOW MONKEYの東京ドームライブに行ってきた。大規模音楽イベントが自粛になって以降、東京ドームで初めての有観客ライブだったらしい。イエモンファンのみならず、エンターテイメント業界全体が注目するであろうこのイベントに、幸運にも参加できたことを、誇りに思う。

 

4月に予定していた東京ドーム公演が中止になってからというもの、しばらくこういったことはできないのだろうとあきらめていた。これまた幸運にも当選したチケットを持っていながら、参加できないこのもどかしさは、今後もそう体験できることではない。メンバーやスタッフの心意気もあっただろう、東京ドーム2デイズの振り替え公演こそ実現しなかったが、4会場4公演で再び会えることになったと知ったときは、両手を挙げて喜んだ。チケットは払い戻ししますという、まるで神様のような対応に、なぜか素直に従う気になれず、誰のせいでもない事情で中止になった以上コストは発生しているだろうにと、普通は気にしなくていいことまで気になり、ついに払い戻しの手続きをせずチケット代を放棄した。ただの自己満足だ。

 

7か月後に実現した東京ドーム公演は、感染対策でこれまで以上に気を遣った。事前にココアをインストールし、慣れない電子チケットを購入し、アプリをダウンロードした。受付で消毒、検温をし、席についてモニターのカウントダウンを見て、今日を起点に新しいストーリーが始まる、その起点の目撃者になれるという実感がようやくわいてきた。

 

演奏は、最高だった。ストリーミングで見るよりライブの方が身体で音圧を感じられて良い、なんてありきたりな言葉はもう使いたくない。音を出す彼らと空間を共にしているという安心感から、声は出さずとも自然に身体が揺れる。ライブ中も終始優しくてあたたかい空気が漂っていて、これまでのライブよりも落ち着いて観ることができた気がする。曲の合間の10~20秒程度の静寂が心地よかった。

 

心なしか、手拍子をしやすい曲調の選曲が多かったと思う。「追憶のマーメイド」「Foxy Blue Love」「SLEEPLESS IMAGINATION」「天道虫」など。「LOVE LOVE SHOW」「DANDAN」を演奏しなかったのは、きっといまの状況を考慮してのことなんだろうなと思った。自分にとっての二大お気楽ソングだ。

 

これが一つの区切りになって、エンターテイメントも今後元気を取り戻してくると思う。今日を区切りに、明日から新しい自分になれるのなら。そのキーワードを「Four Seasons」に見た気がした。

 

これから始まる世界は不安がいっぱい

大人は危険な動物だし 場合によっては人も殺すぜ

 

In changing four seasons I'm crying

美しい希望の季節が

In changing time'n four seasons I'm crying

すぐそこまで近づいてる

だけど勇気が足りない 力が足りない 時間が足りない

お金が足りない 空気が足りない 命が足りない

だからまず僕は壊す 全部足りないから

まず僕は壊す

全部欲しいから

 

いまが「美しい希望の季節」だ。新しい自分になることを意識するタイミングだ。

 

そのことを、イエローモンキーが教えてくれたのだと思う。