JAMと球根

THE YELLOW MONKEYの東京ドームライブの余韻が、1週間経ついまもまだ残っている。他にいない、唯一無二なバンドのツボをおさえたロックミュージックが、いつも自分の頭の中で鳴っていて、ときに仕事への集中力さえも奪う。なんて、仕事がうまくいかないことを彼らの音楽のせいにしたら怒られそうだ。

 

東京ドームでやることに特に思い入れのある曲、という紹介ののちに歌った「JAM」の破壊力といったら、なかった。スクリーンに浮かび上がる歌詞がランダムに泳いでは消える。そんな演出を見ながら、「君に会いたくて君に会いたくて」と叫ぶ。まだしばらくは脳に残る余韻に浸りながら過ごせそうだ。

 

ジャム、つまりパンに塗って食べるそのジャムを自分が好きなのは、そんな具合で「JAM」が大好きな曲だから、と言ったら嘘になるけれど、決して無関係ではないだろう。食パンにジャムを塗って広げるたびに、プロモーションビデオの映像が頭に浮かぶ。そもそも子供の頃はパン自体が嫌いだったのに、いまはパンにジャムを塗って食べるのが好きで、おいしいジャムを手作り市で見つけては大喜びしているのだから、音楽の力はすさまじい。イエローモンキーに影響を受けて、おいしいジャムまで見つけました。なんて人にジャムを紹介できたら素敵だ。そしてそんなジャムに、雑司が谷の手創り市で出会った。デコポンというみかんでつくったママレードジャムがとにかくおいしくて、これさえあればどんなに寒い朝でも起きることができて、朝食をとる習慣を取り戻せるんじゃないかと思っている。

 

 

「球根」も大好きな曲だ。実はこっちの曲に虜になった方が先だ。何の音楽番組か忘れてしまったけれど、テレビで観て身体に電流が走ったことを覚えている。思えばイエローモンキーを意識したきっかけが、この曲だった。東京ドームでは残念ながら聴くことはできなかったけれど。

 

bibbidi-bobbidi-do.hatenablog.com

 

嬉しいことに誘っていただき、毎年参加させてもらっているクリスマス会が控えている。交換用のプレゼントをどうしようかと迷っていたら、「球根とかいいんじゃない?ムスカリとかアネモネとか。花じゃなくて、これから育ててもらうわけ。3月になったら花が咲くとか、いいじゃない」とアドバイスをもらって、なるほど、と思った。球根か。花が開いた状態でプレゼントするんじゃなくて、これから植えてもらって、育つ過程を楽しんでもらおう。それは良い。ずっと残って捨てたくても捨てられず困る、なんて思われずに済むように、食べ物系がいいだろうとばかり考えていた自分には、ない発想だった。

 

 

「JAM」と「球根」。自分にとって特別な曲を挙げるとしたら、この二つだろう(ベスト3と言われたら、これに「SO YOUNG」が加わる)。偶然実在する名詞がタイトルだったことから、クリスマスプレゼントの案がおのずとまとまった。デコポンママレードのジャムの感動するようなおいしさを、他人と共有したい。また、「土の中で待て」なんて唱えながら球根を育てて、花開くまでの過程を楽しんでほしい。プレゼントには、ジャムと球根。イエローモンキーのライブの後味をのどに残しながら。そんなプレゼント、どうでしょう。気づいてもらえないかなぁ。