憧れのミュージシャンがテレビ番組に出演していて、驚くほどストイックであることをいまさらながら知った。もともと、身体を鍛えているとか、一つのことにのめりこむととことんまでいくタイプだとか、そういうことは知っていたけれど、自分の想像のはるか上を言っていて、放心状態になってしまった。腹筋を例えば3,000回・・・決してさらっと言うような回数じゃないだろう。だいたい1時間ちょっとです。1,000回がだいたい20分くらいなんですよ。そのしゃべっている内容があまりにも雲の上に行き過ぎて、笑っちゃったくらいだ。
ただ、「昨日できなかったことが今日できると、嬉しくなっちゃうんですよね」という言葉が、決して他人事に思えなくて、ぎくっとした。それはそうでしょうよ!と突っ込むだけではダメだ。昨日できなかったことが今日できた。そのことで実感する自分の成長。それこそが自分を高めるモチベーションになるんだろう。
それに引きかえ、自分はのんびりしたもんだなぁと不安になった。もっと、自分もストイックであってもいいんじゃないか。もっと、自分を高めることに対して貪欲であっていいんじゃないか。「尊敬するミュージシャンは雲の上の存在。自分は到底そこにたどり着けない」そうやって彼を偶像化し、そこに近づくための努力を放棄することを正当化してしまうような、そんな年齢じゃないだろう。せっかく彼を好きで追いかけているのだし、そこに近づこうと努力するくらいのパワーは、まだまだ自分にはある。そのパワーを、劣化させないために。