シーズン13 第12話 「学び舎」
公園で男性の死体が発見される。みすぼらしい身なりではあったが、実は大学で虫の研究をしている教授・池本だった。犯行当時、公園では若者の集団が暴れていてゴミが散乱しており、犯行の証拠が探しづらい状況に捜査は難航する。
右京と享は大学で聞き込みを行う。そんな折、構内で突然服を脱ごうとする女子学生・久我沢舞に会う。話を聞くと、インターネットに自らの恥ずかしい写真を載せる、と何者かに脅されたのだという。そして、彼女と同じように脅されている学生が他にも。さらに、公園で暴れてゴミを撒き散らしたことについても、同じように何者かに命令されたことだった、と学生たちは口にする。
その場に居合わせたのが、非常勤講師の吉野。彼は、SNS等のコミュニケーション論を教える教師。舞等を脅して行動を起こさせた犯人が彼であることが分かる。非常勤講師の枠で講義の数も少なく、SNSの研究の必要性を知らしめるための犯行であった。しかし吉野は、舞等を脅したことは認めたものの、池本が殺害された日、公園で暴れてゴミを撒き散らすことについては指示していない、という。
不自然なくらいゴミを散らかされた状況から、犯人を示す証拠を隠すための行動であると考えた右京。米沢は、すべてのゴミを回収してひとつひとつ、犯人へたどり着く証拠を探していく。
「知性の流出」がテーマ。大学内で起きていたことに気づき、守ろうとする教授と、自らの学びの場としての大学を守ろうとする学生の話です。最後まで犯人には気づきませんでした。結構途中で犯人に気づくこともあるのですが、今回は驚きでした。
お互いにそれを守ろうとしているのに、ちょっとした食い違いから、反発し、犯行へと繋がってしまう様子が、受け止め方の多様性を感じさせた。大学は誰のためのものか、何のためのものか。難しい問いかけだ。