オー!ファーザー

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価格:1,680円(税込、送料別)

オー!ファーザー 伊坂幸太郎 新潮社


高校生の由紀夫は、一見普通の少年だった。しかし、彼は決して普通の高校生ではなかった。同級生の多恵子が由紀夫の家に行きたがるが、彼は断固としてそれを拒否する。不審がる多恵子は無理やり由紀夫についていく。そして家に行ってびっくり。それは、家が豪邸と言われるほど立派であったことにではない。なんと、彼には父親が4人いた。

それぞれに個性をもつ4人の父親と同居している由紀夫。母親は海外に出張中。そんななか、由紀夫の身の回りで様々な出来事が起きる。そしてそれらの出来事が、由紀夫と彼の父親達を成長させていく・・・



4人の父親とその子供の話、という、突拍子もない家族構成のストーリー。


4人の父親(鷹、勲、葵、悟)のそれぞれのキャラクターがしっかりしていて、とても面白かった。


そしてなんといっても、様々なところにちりばめられた伏線が最後にガチャっと繋がるところが心地いい。


「えっなに、これも伏線だったの?」とホントに驚きました。



分からない点もあり。

結局殿様は本当にクイズ番組に応募していたのか、ということ。


もしかしたら由紀夫にテレビを観させるための嘘なんじゃないかと思ったんだけど、真相は書かれてない。


もう一つ。

結局由紀夫の血のつながった父親は誰なのか、ということ。

それは深く考えないほうがいいのかな??


あとあえて難点を言うと、
目次がなく、章立てがそもそもないので、キリのいいところで読み終えることができず、若干長く感じた。

でも、それも著者の小説の特徴であり、一気に読ませることができる筆力の賜物なのかもしれません。
(前に紹介した「グラスホッパー」も目次ないし、今読んでる「ラッシュライフ」も目次ないし・・・)




4人の父親のカッコよさに圧倒されて、あっという間に読んでしまいました。