そのことに気づいたのは、「千と千尋の神隠し」のリバイバル上演を映画館で観たときだったと思う。リアルタイムで観た十数年前に感銘を受けたことはほとんど覚えていない。親が豚にされてしまうというショッキングな描写に驚きはしただろうし、自分を助けてくれた人のために頑張ろうとする千に感情移入もしただろうけれど、ほとんど記憶にないということは、きっとあまり感動もしない、鈍感な学生だったのだろう。それが、いま観るとびっくりする。涙腺は緩みっぱなしで、千が涙するシーンで一緒に泣いてしまった。自分が泣き虫であることは自分が一番よくわかっている。けれどここまでとは思わなかった。
ただそれだけだったら、日本の興行収入ランキング一位を突っ走るジブリ作品だったからじゃないの?で終わるのだけれど、そうじゃなかった。昔から大好きでよく見ていた「相棒」の過去作品を「テレ朝動画」で観れると知り、久しぶりに大好きな作品を見繕ってみたら、思わず泣けてきてびっくりした。「クイズ王」(※1)、「BIRTHDAY」(※2)、「女王の宮殿」(※3)、「ミスグリーンの秘密」(※4)と、自分の好きな作品ベスト10(日々変動するけれど・・・)に入るものを久しぶりに観たら、それぞれに感動し、これはまずいと思った。この気持ち良さは、リアルタイムで観ていた時以上だ。時間を経て、作品に対する感じ方も変わってきたということなのだろうか。
そして今日、久しぶりに観た初期作品は、息子に自殺された父親が抱く復讐心が、その息子を想う人を殺人者にしてしまった、という話。現場から硝煙反応が出ない。被害者の身体に銃弾が残っていない。そんな不思議な凶器のカラクリに対する驚きもさることながら、犯行の動機に大きく心が動かされる。
「前におっしゃってましたね。二人は、朝晩の挨拶をするぐらいで、特別親しかったわけではないと。彼女にとっては、その朝晩の挨拶が、生きる支えだったそうです」
Season2 第4話「消える銃弾」
(※1)Season2-12 クイズ王
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(※2)Season11-18 BIRTHDAY
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(※3)Season5-17 女王の宮殿
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(※4)Season8-3 ミス・グリーンの秘密
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