申し訳なさを帳消しにする

 

休日、一日中家でのんびり過ごしていた。壁面本棚を眺めながら、最近は本が増えるペースが落ちたなあと思う。いや、落ちてしまったということではない。自らそうしているに過ぎない。いま棚にあって、読み終わっていなかったり、まったく読んでいなかったりする本がたくさんあるので、そういった本を見捨てるのではなく、少しずつでも読んでいこうというふうに考えている。

 

「塑する思考」は久しぶりに読んでびっくりするくらい面白かった。このように、数年前にちょっと手を付けたものの、そのままにしていて本棚に眠っている、なんて本が何冊もあるのだ、きっと。リビングにいれば常に背表紙は見えているので、忘れているわけではないものの、やはり読まずに数年を過ぎると申し訳ない気分になってくる。その「なんとなく感じる申し訳なさ」を、1冊ずつ読むことで帳消しにしていく。それが今の自分の身体に課された仕事なのかもしれない。