FUGLEN浅草

気になっていたけれどなかなか行けていなかったカフェに、行ってみた。休日だし、場所柄もあるし、きっと満席で、座れないんだろうなぁという予感は、店内に入って確信に変わる。それでも思いのほか落胆しなかったのは、ここに実際に来て、建物を眺めて、店内に足を踏み入れて、店内の家具を見て、コーヒーを飲んだり談笑したりしている客を姿を見さえすれば、目的の過半は達成することができたと感じたからだ。他人に聞かれて「知ってはいますが、行ったことはありません」と答えるのもなんだか恥ずかしい。「行きました」と言いたい。それだけの理由です。

 

北欧の家具が並ぶ内装がきれい。浅草ということもあってか、客も外国人が心なしか多い。意識の高い人が集まる外国のカフェに迷い込んだような気分だ。店員さんが運ぶワッフルに目を奪われる。ちょっと落ち着いたころに、また来て、その時はワッフルを食べよう。

 

https://fuglen-asakusa.business.site/

 

 

「ノルウェーのコーヒーって、どうなんですか?苦いんですか」

「いやいや、逆ですね。酸味が強い感じ」

 

結局は自宅近くのいつものカフェに落ち着く。ここでコーヒーを飲んでいると、別に都内のしゃれたカフェなんて知らなくたっていいや、と思えてしまう。さっき行ってきました、諦めました、と店主に愚痴を言ったら、ノルウェーのコーヒーのことを教えてくれた。そうか、じゃぁなおのこと、ここで苦めのコーヒーを楽しんでいればいいや、と思ってしまった自分は、新しいものを味わおうとする好奇心というものがないのか。