スイーツ男子その2

ひょんなきっかけで学芸大学のカフェに出会った。「cafe/bar onji」ビルの2階にあるそのカフェには、建物前の立て看板を見落としたら絶対にたどり着けない。普段は夜営業しているバーで、休日の昼間だけカフェにもなる。お酒を飲まない自分はおそらくバーのお世話になることはないのだろうけれど、この休日限定のカフェにひかれたのは、これも「人」の力にほかならない。

 

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今日、仕事終わりに学芸大学の古本屋「流浪堂」に立ち寄った。カフェのお姉さんに教えてもらったその古本屋は、最初に訪れた時こそその蔵書に圧倒され、買うことができなかったけれど、今日は冷静にひととおり見ることができ、買うこともできた。「有効期限はありませんから」こちらが何も言わずともポイントカードをくれる店員さんは、街の老舗古本屋から感じるイメージとは違い、気さくだった。私が差し出した本を見て「ありがとうございます」と真っ先に言う。「お目が高い。よく見つけましたね」そういわれた気がしてなんだか嬉しかった。

 

同じくマニアックな、グラフィックデザイン系の本を専門に扱う本屋「BOOK AND SONS」も面白い。清潔な店内空間に、木の本棚がやわらかい印象。そして控えめなサイン。家具屋とか、ギャラリーに迷い込んだような感じさえする。

  

bookandsons.com

 

世界の活版印刷グラフィック・コレクション

世界の活版印刷グラフィック・コレクション

 

  

本屋を教えてくれたそのお礼にonjiへ。気さくに話しかけてくれるお姉さんとまたしゃべる。もちろん今日もケーキを食べながら。相変わらず男ひとり、おかしな感じだ。

 

「どういうカフェが好きなんですか」そう聞かれると好きなカフェの共通点がまるでなく、困る。でもまぁ強いて言えば。自分は常々「人」だと思っている。店内の空間のおしゃれさだとか、流れている音楽だとか、コーヒーの味だとか、そういうのももちろん大事なのだろうけれど、それよりも、そこで出会う人との間で発生したストーリーにひかれる。何か面白いことがあったときに、それが良い思い出になって、また来ようと思うようになる。そのことを再認識させてくれたのが、目の前のお姉さんのその質問だった。

 

学芸大学は、自分にとって本屋の街になりつつある。そう思わせてくれたお姉さんに、感謝。