スツールワークショップ

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壁面本棚をつくってくれた家具屋さんのワークショップに参加した。スツールをつくるという豪華なもの。といっても、脚や座面など、部材はあらかじめ家具屋さんに用意してもらっていて、それを組み立てるというのが中心だった。だから完全に自分のオリジナル、というわけではない。けれど、決してDIY的な「手軽に自分でつくってみました」というものではなく、しっかりとした品質のものを、つくった。

 

組み立てることがほとんどといっても、終わったときにものすごい達成感を感じるくらい、決して簡単で単純ではない工程が含まれていた。相欠きの部分を金づちでたたいて(木殺し)嵌りやすくし、後に接着剤の水分で材が膨らませて外れにくくする。ホゾにのこぎりで溝を切って、脚を組んだあとでその溝にクサビを打ってホゾを広げる。材の表面を丁寧に、まんべんなくカンナやサンドペーパーをかけて平滑にする。どれもがスツールを強く、美しいものにするために必要な工夫だ。

 

自分がつくったのはスツールづくりのほんの一部だったかもしれないけれど、それでもこれだけの愛着が生まれるのだから、自分で主体的につくるというのは本当に面白い。そして、普段何気なく家具を「簡単につくるなぁ」なんて思いながら見ていたけれど、目に見えないところにも家具屋さんの細心の注意と工夫が詰まっているということを知ってから、家具を見る目が変わった気がした。もっと、自分の身のまわりの、人によってつくられたものを、細心の注意と工夫によってつくられたものだという意識を向けながら、丁寧に使おうと思った。