ストーリーに裏付けされた暮らし

小さい家に住み替える計画が進行中。待っているのは、30㎡台の賃貸マンション。そこで自分の好きなように、自由に設計をして暮らす。来春の引っ越しがいまから待ち遠しくてたまらない。

 

そんなだから、他人の「小さな家の暮らし」に興味があって、暮らしに関する雑誌をいろいろ見ている。いま繰り返し読んでいるのはアンドプレミアム。今月号の特集は「小さくて、心地のいい部屋」。小さいながらも快適に暮らす工夫がちりばめられていて面白い。ワンルームの中心にどかんと置かれたアアルトのダイニングテーブルがかっこいい。

 

翻って、では自分はどんな家にしようかと考える。家具のテイストは?どこに何を置く?それとも置かない方がいい?とあれこれ考えていたら、時間がいくらあっても足りない。仮に1年じっくり考えていいよと言われたとして、1年後に満足できるかというと、たぶんできない。悩みはきっと永遠に続く。

 

ただひとつ言えるであろうことは、こうした雑誌の写真として映えるような内装や家具が、自分が住んだ時の快適さに直結するかというと、そうではないんだろうなぁということ。自分が「これいいなぁ」と思っても、他の人はそうは思わないんじゃないかという気がする。それよりも、自分がいままで体験したストーリーに結びついたモノに囲まれた暮らし、つまり「自分にとってのストーリーに裏付けされた」暮らしができたら最高だと思う。そしてその豊かさは、雑誌の写真などでは伝えられないんじゃないかと思う。

 

例えば、大好きな家具屋さんが新作の家具をつくったから、そしてそのデザインが最高にかっこいいから、その家具を揃えよう、とか。職場の仲間に勧められて挑戦した「自転車」という趣味を自分にとって身近なものにするために、部屋に自転車を置くとか。手作り市で出会ったことがきっかけで、それまでの自分では考えられなかったことなのに、部屋にリースを飾るとか。モノとそれにまつわる出来事がセットで記憶に染み込むから日々余計に楽しめる、ということはあると思う。

 

いまは、小さな部屋にスツールをいくつか取り込むことを画策中。なくても問題ないけれど、あったらいいなぁと思うもの。さてどうやって置こう、と考えているとまた時間だけが過ぎていく。

 

&Premium(アンド プレミアム) 2019年 03 月号 [住まいを、整える。]

&Premium(アンド プレミアム) 2019年 03 月号 [住まいを、整える。]