ユーザー目線

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ワークショップでつくったスツールに、オイル塗装を施す。慣れずに、これでいいのか、まだらになってしまわないか、とヒヤヒヤしながらスポンジをあてていく。自らつくったとはいえまだ命を持たない無垢材のスツールに、自分だけの愛着という生命を宿すような、そんな感覚。ここまでが楽しい。若干塗る量が均等でない気がするけれど、それもまたいい。プロに作ってもらったものじゃないんだから、完璧じゃなくていい。

 

よく、愛着を持ちすぎて使うのがもったいない、なんて言葉も聞く。だけど自分は、ガシガシ使う。尻で座面をすり減らして、テカテカにするまで使う。使ってこその家具だもの。

 

こういう価値を、自分にとって唯一無二な価値を、これに出会えてよかったと心から思えるような価値を、提供できるような仕事をしていかなければいけないなぁと思う。お金をもらって「ありがとう」と言われるとは、そういうことだ。特に自分は、住宅という、家具よりももっとスケールの大きいものを扱っている。もっとユーザー目線を意識しないといけないと思った。