「選ぶ」ことと「出会う」こと

都内で食事をする機会があり、そのお店を探すことになった。場所をまず決めて、それから店をどうしよう、ということになる。もともと知っているお店があるわけではなかったので、これから任意に選ぶことにある。こういうとき頼りになるのは、食べログだったり、ホットペッパーだったり、ぐるなびだったりする。「街の名前」「ディナー」とかで検索して、ひっかかったものを片っ端から見ていって、これかな、これは違うかな、と、あとは自分の感覚でしかないんだけど、見ていって選ぶ。なじみのお店の一つでもあれば、そこへ連れて行って、なんてことができるのだけど、そうでないから、結局こうした検索に頼らざるをえない。

 

こうしてお店を選んで、そこで食事をした結果、「ここじゃなかったな」「別のところにすればよかったな」と後悔したことが、ない。だいたいが、「ここを選んでよかった」と満足する。それは、決して自分に良い店を選ぶ審美眼がある、とか、運が良い、とか、そういうことではないと思う。たぶん他人が「いまいちだなぁ、他にもっと良い店があるよなぁ」と思うようなところであっても、そのお店の良いところをなんとかみつけようとして、結果その良いところに満足することができる、ということなんじゃないかと思う。いいなぁと思うハードルが、他人より低いというか。むしろ、後悔しないようになんとかして良いところをみつけよう、と頑張るんだと思う。

 

今日も、結果は大満足だった。ビルの比較的高い階にある飲食店で、大丈夫なのかな、と心配してしまったのだけれど、それはほんとに無用な心配だったとあとで思った。高層階だから通りがかりでの来店はほぼ期待できないだろうけれど、そのお店の常連さん、ファンをきちんとつくることができれば、そんなことはあまり関係ないのだと、気づいた。そして、その常連さん、ファンをつくるために必要なのは、人なんだな、と改めて思った。

 

自分が選んだところに対して、そうじゃなかったと後悔するのは簡単だし、実際、他にもっと良い店はいくらでもあるのだろうけれど、でも、なんとかして結果オーライにもっていこう、と思うことって、大事なんだと思う。そうして少しづつ出会いが増えていけば、そのうち自然とレパートリーが増えてくるだろう。そうすると、最終的には食べログとかホットペッパーとかぐるなびとか、そういったツールは不要になるのだろう。でも、最初に選ぶきっかけになるという点では、食べログホットペッパーぐるなびも、なくてはならないすばらしいツールだと思う。