街場の文体論

夜、事務所近くの本屋で寄り道。なんか買って、読んで帰りたい。だけど、なんか単行本を買う気分じゃないな、ということが多々あって、今日もまさにそうだった。表紙が主張しない、新書コーナーで文字だけを追っていく。違うな。2階の文庫コーナーへ。うーん、ないな。1階の新書コーナーへ戻る。うーん、どうしよ。これだから優柔不断は。今日は買わずに帰ろうか。あ、いや、さっき2階にあって一回手にとったあれ、やっぱり読もう。難しそうだけれど、大学の講義での話をまとめたものみたいだし、文章を書くということの本質が、わかるかも知れない。そう思って、また2階へ行って、買った。これだから優柔不断は。

 

街場の文体論 (文春文庫)

街場の文体論 (文春文庫)

 

 

最初の数ページを読んで、さっそく、いま自分が書いているこのブログの文章が、文章を書くということの本質を欠いていることに気づかされた。文章を書くということは、読み手に対して敬意・愛をもつことと一緒である。読み手への敬意なしに、きちんと伝えたいことを伝えるということはありえない。こうして、いままで書きなぐってきた文章が、ただの自己満足の、自分があとで読んで喜びたいがためのものであったことに気づかされた。まぁそれはそれでこのブログのひとつの側面であるし、良いのだけれど、やっぱり読み手を意識しない文章はありえないよね、ということが、いまの自分にぐさっと刺さった。

 

大学時代に戻った気分で、この講義をきちんと、居眠りせずに受講する。そうして、的確に、正直に、読み手にとって快適な、文章を書けるようになりたい。