地元意識

前の記事の続きで、「コーヒーと一冊」シリーズが面白いなぁと思って、金曜日の夜、帰りがけに閉まる前の駅前の本屋に飛び込み、2冊目を買った。なんかよく分からない「K氏」なる主人公(結局それは著者のことなのだが)が言いたいことをいいますよ、というもの。

 

K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)

K氏の遠吠え 誰も言わへんから言うときます。 (コーヒーと一冊)

 

 

地元感のある居酒屋文化と、どこへ行っても変わらないコンビニの画一性の対比が、面白い。そうか、だからコンビニに行ってもつまらないのか。行きつけになりえないのか。

 

とはいえ、自分が自宅近くでよく立ち寄ったり、好きでよく行く店というのを思い起こすと、実は他の街にもあるチェーン店だったりする。ヴィドフランスにしたって、パスタフローラにしたって、ココイチにしたって、そうだ。マクドナルドや吉野家といったファストフード店は、少なくともここ一年は行った記憶がないくらい、避けるようになって時間が経つが、それよりちょっと出てくるのがゆっくりになった程度のご飯を食べている時点で、画一的なチェーン店離れはあまり進んでいない。まぁ、チェーン店全てを否定するつもりはないし。手軽でおいしいし。

 

今日も、昼間に仕事が終わったので、帰りに駅前のヴィドフランスに立ち寄り、遅めの昼食。リニューアルしてサイフォン式になった、ちょっと本格的なコーヒーを飲みながら、「K氏の遠吠え」を読む。「食べログ」とかでの上から目線の投稿を見るたびに吐き気がする自分と同じようなことを思ってらっしゃるんだなぁ、と同意する。他人の、しかもネット上の会ったこともない他人の講釈を間に受けるようでなく、自分の価値観、自分の物差しで、この店は好きだな、これは美味しいな、と言えるようでありたい。別にチェーン店だって、画一的で地元意識の欠片もなくたって、そこに「ピン」とくる何かがあれば、良いよ。