新しい世界

仕事で自由が丘の自宅から千葉の行徳へ向かう電車内。中目黒から茅場町までは日比谷線。乗り換えて茅場町から行徳までは東西線。日比谷線と東西線は地下鉄なので、40分程度、地下にいることになる。そして東西線は、南砂町駅を過ぎると地上に出て西葛西に着く。その地上に出た瞬間の、光がぱっと車内に入って明るくなる瞬間が、とにかく心地よい。うっかりウトウトしているときにその瞬間を通過してしまうと、目を閉じていたことを後悔する。視界が開けて何か新しい世界に突入したような、といったら大げさだけれど、そう言ってもいいくらいの気分の高揚を味わうことができる。たぶん誰にも共感されないんだろうな。

 

いま、月に2回くらいは行徳か妙典に行く用がある。その度にこの新しい世界を味わえるのだから、なんて贅沢なのだろう。いや、大げさだな。東西線でなくても味わえるだろう。例えば平日の仕事帰り、東横線で渋谷を出たら代官山手前で地上に出るじゃないか。一瞬そう思ったけれど、帰りに代官山に着くころには夕方で暗くなり始めているので、東西線でのそれほどの爽快感はない。仕事終わりで疲れてもいるし。やっぱり、東西線でのそれを満喫すべきなのだ。