武器としての決断思考


京都大学で指導をしている著者の「意思決定の授業」を一冊にしたもの。「ディベート」の手法を用いて、人生において必要な「意思決定」を行う力をつける。



初めて手にした「星海社新書」



コンセプトは「次世代による次世代のための、武器としての教養」



「戦うことを選んだ次世代の仲間たちに『武器としての教養』をくばること」が目的とのこと。



そのコンセプトにひかれ、「そんな武器が自分にもあったらいいな」と思い、ジャケ買いならぬ、出版社買い。



内容は、「議論」ではなく、ルールが明確に定められた「ディベート」の方法論が中心。



ディベートには、ルールがある。賛成派と反対派に分かれるが、どちらになるかは直前まで分からない。つまり、賛成派と反対派の両方の主張を準備していなければならない。そして、与えられた具体的なテーマに沿って、「メリット」と「デメリット」を比較する。



ディベートの方法はそれだけ。メリットとデメリットを冷静に比較して、メリットの方が大きければ賛成、デメリットの方が大きければ反対、となる。



たったそれだけなのだが、メリットとデメリットそれぞれに3つづつ条件があり、反論する際はそれら3つの条件についてツッコミを入れる。



まるで論理学の授業を受けているような印象。



そして最終的には、それらのディベートの手順は忘れてもよく、「自分の人生は自分で考えて、自分で決める」ことの重要性を説く。



ディベートの冷静な分析力を用いながら、最終的に自分の人生の選択肢を自分で決定していくのが大事だということが分かった。



「結論が出ないものは、雑談であって議論ではない」


「世間では、ブレない生き方がやたら賞賛されていますが、『ブレないこと』自体に価値はありません」



言葉自体に重みがあって「なるほどな」と思えるものも多い。