わたしウエディング・ドレス君を待つ

THE YELLOW MONKEYの新しいライブアルバム「Live Loud」を聴いている。特にDisc 2はレア曲も多く、聴いていて興奮する。

 

ボーナストラックに特に注目していた。『Wedding Dress~マリーにくちづけ』とある。「マリーにくちづけ」のライブ盤が聴ける!と驚き、うれしくなり、その前の「Wedding Dress」の文字を良く見ず、勘違いしていた。アルバム『smile』は1曲目「Smile」の神聖なパイプオルガンの音から始まり、そのまま「マリーにくちづけ」へとなだれ込む。だから「Smile」なのだと思っていた。実際、「Smile」の「Always smile smile smile smile」とナレーションが響く。そしてそのまま「マリーにくちづけ」が始まるかと思いきや、突然聴き覚えのないイントロが。うん?と頭にはてなマークが浮かぶ。聴いたことのない音。何の曲でもない、曲前の演奏か?しかし「わたしウエディング・ドレス君を待つ」と歌が始まり、いよいよ訳が分からなくなった。

 

「Wedding Dress」文字を良く見て、あぁ、なんとなく見た事あるタイトルだ、と気づいた。だけど曲自体は正直初めて聴く。『Bunched Birth』とか、1stの『THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE』の収録曲か?と思ってアルバムを確かめるが、そんな曲は入っていない。じゃぁどこに収録されているの?といよいよ分からなくなり、調べたら、「太陽が燃えている」のカップリングになるはずがお蔵入りとなり、のちにベスト盤『TRIAD YEARS THE VERY BEST OF THE YELLOW MONKEY act Ⅱ』にのみ収録された珍しい曲のようだ(出典:ウィキペディア)

 

そういうことか。それにしてもいい曲じゃないか。初めて聴いたのにそう思えないような、シンプルなメロディ。そう思って聴いていたら、アウトロでさらに驚くことになる。

 

ギターフレーズになんとなく聴き覚えがあるのだが、すぐに思い出せない。何かクラシックの曲か何かで、アドリブで弾いているのだろうか?それにしても何の曲だっけ?と悩むこと10分。浮かんだのは「ゼクシィ」のCM。そうだ、「結婚行進曲」だ。でも何で「結婚行進曲」を?その意味が分からない。結局「結婚」と「Wedding Dress」が結びついて、だからなのかと気づいたのは、「結婚行進曲」だと気づいたそのさらに数分後だった。

 

オマージュでアドリブ?粋なことをするなぁ、なんて思いながらライブ盤を聴き、そのあとでアルバム音源を聴いたら、音源がすでに「結婚行進曲」だった。そういうことか・・・。

 

未知曲の存在に驚き、クラシックの挿入に驚き、結婚行進曲とWedding Dressという繋がりに驚き、それが音源からであることに驚く。4度の驚きをもたらしたボーナストラックだけを、何度も聴いている。女性目線の不思議な歌詞がまたカッコいい。

 

ああ近所のイヤなご婦人に 惨めなレッテルをはられ

後ろ指を指されるじゃない だから早く来て

 

たまに我儘も言ったわよ 料理も掃除も好きじゃない

そんな事しなくても生きてける だから早く来て