蓄えの一切を使い切る覚悟

齋藤孝さんの「〈貧乏〉のススメ」を読んでいる。

 

<貧乏>のススメ

<貧乏>のススメ

 

 

こころに貧乏をもつこと、それはすなわち、そこから這い上がってやろう、成功してやろうという向上心をもつことなのだと思った。多感な時期に飢えた経験が、今後、またそうならないように努力しようという力につながる。そうやってこころの貧乏を力に変えられる人は、強いんだろうなあと思う。

 

この本の中で安藤忠雄著「建築家 安藤忠雄」のなかの言葉が紹介されている。「蓄えの一切を使い切ること」を、覚悟をもって自分はできるだろうか。自分はかつてそれくらいの気概を持って取り組んだことがあっただろうか、とこの言葉の重さを噛み締めていたら、そういえばこの本持ってるじゃないか、とあとで気づいた。手元にこんな重要な本を持っていることを忘れているとは、もったいない。

 

本を読みながら、そこで別の本の言葉に出会う。ある本を読んだことがきっかけで別の本を知り、さらに世界が広がる。こうして次から次に読むべきものへとつながっていくのも、読書の面白いところだ。齋藤孝さんの本を読みながら安藤忠雄さんの言葉に出くわすとは思いもよらなかったけれど、これも出会い。

 

蓄えの一切を使い切る覚悟で何かをしたことがありますか?

 

その答えとなる「これだ」がないってことは、自分はいままで気概をもって取り組んだことがないってことなのだと思う。そう思った瞬間に、このままではマズいという、得体の知れない危機感を感じた。このままではマズい。でも、じゃぁこの不安を解消するために具体的に何をしたらよいのかは、分からない。

 

勉強するしかない、というのが、途中までであるがこの本を読んで得た答えだ。パンを片手に専門書を読みあさる日々、というのは安藤忠雄さんの勉強時代のエピソードだけれど、こういう気概を、もつべき。そして、齋藤孝さんの言う「リフレイン読書」。一冊の本を10回読めば、変われる。そうであることを信じて、一冊一冊を大切に読みこなそう。

 

建築家 安藤忠雄

建築家 安藤忠雄