I:伊坂幸太郎 -Isaka Kotaro-

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今思うと、よくそれで勉強してこれたな、と心配になるくらい、読書をしない子供だった。学校の図書室で本を借りた記憶というのが、ほとんどない。本を読んで感動して、人生のバイブルに出会った、とかそんな美しいエピソードもなく、ただ下手なりに剣道部で汗を流し続けていたわけだ。

 

ましてやフィクションなんて。小説の楽しみ方が分かったのなんてここ数年の話だと思う。それを読んでどうなるというのだ、何が面白いんだ、とひねくれものは考えていた。

 

きっかけは忘れてしまったけれど、彼の作品を読むようになってから、小説が自分の人生に違和感なく馴染むようになったと思う。仕事のない休日に。その世界にどっぷり浸かることが、リフレッシュになるのだということを、彼の小説から学んだ。

 

「殺し屋小説」というジャンルが果たしてあるのかは知らないけれど、この双子はとくに面白い。1人称がめまぐるしく入れ替わる彼ならではの手法によって、格闘シーンをさまざまな角度から描く。この双子が三つ子、四つ子と数を増やし、本当に「伊坂幸太郎の殺し屋小説」として確立されるようになったら、いいなぁ。

 

いまは「サブマリン」を読み始めたところ。テキトー男の陣内さんが今度は何を語るのか?いまから、楽しみ。

 

好きな小説家さんに出会えて、よかった。気分としてどうにも読み進める気にならない時もあるのだけれど、読み始めると時間を忘れて読み進められる小説だ。