血が泣いてる


吉井和哉- 血潮(Short Ver.)

 

さようなら いつも 怯えていた私

(吉井和哉「血潮」)

  

この最後の歌詞が頭から離れない。こう歌ったあとにっこりと微笑む彼がかっこいい。「血」という言葉から、イエローモンキー時代の名曲の「血が泣いてる」という歌詞を思い出した。最後に「血が泣いてるんだよ 血が泣いてるんだよ」と何度も叫ぶ場面は当時かなりインパクトが大きく、ほかの部分の歌詞もけっこうすごいこと言ってるのに、それすらも霞んでしまったように思う。

 

僕が犯されたロックンロールに希望なんてないよ

あるのは気休めみたいな興奮だけ それだけさ

(THE YELLOW MONKEY「人生の終わり(FOR GRANDMOTHER)」)

 

地位、名誉、仕事の成功、報酬、社会貢献・・・それを得るために頑張ることはすごくいいことだと思うけれど、もしかしたらそれを得てどうする?と聞かれた時の最終目的は「気休めみたいな興奮」なのかもしれない。そう思うと「なんだ、気休めにしかなんないか」とも「その気休めのためにいっちょ頑張るか」とも捉えられるから不思議だ。

 

音楽業界の不振を懸念する声もあるけど、こういう粋な人がいる限りは大丈夫なんじゃないだろうか。別に聴くツールがyoutubeになろうが、無償だろうが、ひとりでも多くの人に聴いてもらえることが、彼らにとっての名誉なのだから。