程遠い

駅のホームに着いてから電車が到着するまでの待ち時間が長かったり、ようやく来た電車が目的地手前で止まってしまう電車だったり。そうした「電車移動にまつわるイライラ」を、ここ最近特に強く感じるようになってしまった。以前はなんとも思わなかったと思うのだけれど、こういう感覚は研ぎ澄まされるものなのだろうか。いや、むしろ忍耐力が衰えたと言ってよい。

 

今日も、幡ヶ谷駅から明大前駅に行くのに、幡ヶ谷駅で待つ電車がなかなか来ず、来たと思ったら笹塚止まり。笹塚に到着したらドアが開く直前で各駅停車の電車が出発してしまい、次の電車を待つ。ようやく来た電車に乗って明大前に着き、またしばらく井の頭線の到着を待った。渋谷で東横線のホームに着いたら、止まっていた急行電車が満員で、隣の各駅停車で出発を待つ。しかし少し前に車両トラブルがあったようでなかなか出発せず、急行が出発しないことには各駅停車も出発せず、悶々とする。先に出発し、早く到着する急行に本当は乗りたいのだけれど、ぎゅうぎゅうだからとても乗る気になれない。こうして要所要所で立ち止まりながら、ようやく駅についたらクタクタになっていた。駅前では区長選の演説をしていて、拡声器の音量をこれでもかと大きくして叫ぶ候補者の声が耳に突き刺さった。おおげさでなく、吐くかと思った。

 

なんだか愚痴になってしまった。こういうささいなことに大きなダメージを受けるようになったのはいつからだろう。割と最近のことではないかと思う。電車が来るのを待つ時間だってせいぜい5~6分程度。そんな時間、目的地までの時間を思えば誤差だろう。実家暮らしの頃、東上線の駅に電車がやってくるのは15分に一本、当時はそれを普通に待っていたじゃないか。後で思い返せば冷静になれるのだけれど、その時はどうしてもイライラしてしまうのだ。

 

器の大きな、寛容な大人になりたい。そう思うようになってだいぶ経つ。しかし実際は、寛容とは程遠い、いつまでも狭量な自分だ。