朝、窓を開ける

「あさになったのでまどをあけますよ」絵本の読み聞かせで聞こえてくる声。朝、眠い目をこすりながらもベッドから離れ、まずブラインドを上げて窓を開ける。そうやって光と風を室内に送り込む自分の姿を想像した。いいじゃない。前日のムカムカが多少頭に残っていても、仕事がうまくいかず悶々とする日の途中であっても、朝、窓を開けてちょっとひんやりした空気が身体にぶつかってきたら、その一日に訪れる幸福の8割は、すでに受け取ったようなものだ。なんだかそう思えてきた。頑張ってちょっと早く起きて、熱いコーヒーでも淹れて飲めたら最高だ。そうしたらさっき言った8割が、9割になると言ってもいい。そう考えたら明日の朝が待ち遠しく感じられる、いつまでも単純な自分だ。