不惑

来年2023年に40歳になる。まだまだ先だと思っていたことが、もうすぐそこまで来ていて怖い。

 

40歳の誕生日を迎えるその日までに、何か大きなことを得たいと思って会社を辞めたのが去年だ。38歳、39歳の2年間を、人間力を高めるための準備期間、修行期間のように捉えて、来たる40歳の誕生日を一つの区切りとして、成熟した大人になりたいと思っていた。自営業をきちんと軌道に乗せて、それで生計を立てることができれば大満足。仮にそうならなくても、「自分はこれで飯を食べてるんだ」と堂々と言えるような仕事をすることを目標にした。その目標を達成させるために行動したのが今年1年だった。振り返って、たくさんの出会いがあり、チャンスには恵まれたと思う一方、それを活かして満足できる仕事に結びつけられたかというと、まだまだだと言わざるを得ない。

 

40歳と言ったら不惑。人は四十にして迷わず、というのは孔子の言葉だ。人によって当然違いはあるだろうし、年齢と目標とを画一的に結びつけるのはあまり好きではないけれど、しかし迷わず堂々と振舞うにふさわしい年齢という意味では、意識せずにはいられない。あれこれと惑わず、私はこれを仕事にしている、このことで他者に価値を提供する、このことで他人に必要とされている、と言えるようでありたい。その想いは会社を辞める直前期から今まで、変わっていない。

 

ただ今は、自営業だけで生計を立てることだけが目標達成手段だと思っていない。その点では妥協したと言われるかもしれない。ただ私自身は妥協したというより、軌道修正したという気持ちでいる。半年後にやってくるゴールまでにどうこうしようと焦るのではなく、もっと長い道のりを見て、地道にコツコツとやっていく。その先に、成熟した大人という抽象的だけれど大きな目標の達成が待っているように思えてならない。