居心地のいい場所

昨日設計の打合せをした方は、自宅で仕事もすることを考慮して、玄関入って最初のところに仕事スペースを設けている。なんでも、一日の大半をそこで過ごすことになるのだそう。大半の時間を過ごす、自分にとって居心地のいいスペース。それがあることのなんと素晴らしいこと。家のあるべき姿って、そこにあると思う。快適な空気か、楽な姿勢か、飲み物に手が届くか、時計が見える角度か、手に届くところに本はあるか、などなど、いろんな要素があるだろう。そういう「ここでなら何分でも何時間でもボーッとしてられる」ような場所を設定することこそ、家づくり、部屋づくりの目的なんじゃないかと思う。

 

そう感じるようになってからというもの、「書斎」という言葉が好きでたまらない。大人の男が思索に耽る場所。そういう場所で、新しい価値を生み出すべく、脳みそをフル回転させる。その時間が、ぼくの仕事を面白く、やりがいに満ちたものにしてくれる気がする。

 

なにも自宅内だけに限らない。職場のデスク。すいてる電車内。お気に入りの喫茶店。ファミレスでもいい。自分にとって「居心地いいな」「いつまででも居られるな」と思える場所は、複数あるとなおいい。こういう日はここ、この時間ならここ、ここへ行った時はここ、というように、使い分けられるのが理想。

 

場所を探すのに必死になっても、そこで生み出すものがなければ意味がない。そこで生み出したものが仕事に活用できなければ意味がない。

 

こうして自宅でブログを書いている、この机と椅子の組み合わせがとりあえず一番居心地がいい。椅子に浅く座って、足を伸ばしてベッドにのせて、机に肘をついて、机の上の置時計を眺める。木の中からLEDデジタル文字が浮かび上がる魔法のような組み合わせ。この両極端がいつもぼくを刺激する。

 

うし、明日からまた1週間、頑張るか。