伊藤Pのモヤモヤ仕事術

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「伊藤Pのモヤモヤ仕事術」 伊藤隆行 集英社新書


テレビ東京のプロデューサーによる仕事術。面白いことを探して街をブラブラ歩きまわる「モヤモヤさまぁ〜ず2」を担当する伊藤Pが、その仕事に対する姿勢を披露する。



これを読むと、仕事で成功する人とか出世する人とかいろいろいるけど、みんな出だしのスタート時点ではただの「凡人」であることに気付かせてくれる。「人の意見を吸収したり、人に翻弄されたり、人に反発したり、一年一年、身の回りにいろんなことが起きる中で年を重ねてきました」というように、まわりから影響を受けながら成長していることが分かる。「自分の人生は、人に決めてもらったっていい」そんな言葉を他で聞いたことがあるけど、それに近いかな。なにも自分だけでやりたいことを考えるんじゃなくて、客観的に自分を評価してくれる上司だったり部下だったり同僚だったり、そういう他人によって決められる人生もアリだよ、ということに気付く。



自分が自分をさらけ出すきっかけになった「友人の中で壊れた」事件。それまで堅物と言われていた自分が、その恥部をさらしてしまう経験によって、自分の中でタガが外れる。それが、「『報道がやりたい』とホラに近いことを言って入社」することにつながる。その事件をきっかけに、「堅物である自分は堅物である自分を死守するべきだ」と思った、という話なのかと思いきや、それが崩れ去ることで得られるものがあった、という。「何かを目指すなら一回壊れることで、自分が本当に本気かどうかを確認できます。一回冷静に自分を見るのは、壊れる形でもいいし、ライバルに先を越されて悔しい思いをするでもいいし、『自己実現できないのはなぜか』と考えることでもいい。通過儀礼は人それぞれでいいと思います。壊れたらそこには丸腰しかありません。逃げたいのなら・・・その丸腰で勝負するしかないのです」自分を冷静に見るための自分なりの通過儀礼はなんだろう。ぼくの場合は、誰もいないところで、思いつく限りの言葉をブツブツ唱えながらそれを整理していく作業か。



「最下位局」と言われるテレビ東京で。他局が一斉に大事件を報道しているのに、その中でアニメを堂々と放送しているテレビ東京で。そんな「どこかよそとは違う突き抜けた」印象を受けるテレビ東京でのマイナスからのスタートを、自分なりに考えて地道にこなしていって、人気番組のプロデューサーにのぼりつめる。それが「もともとあった才能」ではなく、「凡人からのスタート」であるということは、ぼくに大きな勇気を与えてくれた。