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江戸時代。碁打ち手の安井算哲こと「渋川春海」は数学が大好きで、ある日お寺に掲げられた数学の難問をいとも簡単に解く「関」という男に心を奪われる。そしてその「関」に自分で作った難問をぶつけようとする。
一方、日頃の碁打ちに退屈を感じていた春海は、新しい暦をつくるための「北極出地」を命じられる。
江戸時代、碁と算学、そして暦術に心を奪われた一人の男の格闘を描いた時代小説。
旧来の暦を捨て去り、新しい暦を作り出す、それまでの苦悩が描かれています。
「関孝和」という算学者は歴史の授業で出てきてて知ってたので、興味津々で読みました。
関に一世一代の難問をぶつけようと意気込むあまり、解の出ない「病題」をつくってしまった春海。
そんな春海は意気消沈しながらも、その当時の常識となっていた暦の誤謬を見出し、新しい暦をつくろうとする。
周りから疎まれながらも、信念を貫く春海がカッコいい。
個人的には、関孝和の人柄がいいと思った。
自分に代わって暦作りに挑む春海に対して、進捗を確認したり(急かしたり)しない。
自分のつくった稿本が暦づくりに多大な影響をもたらしたのにかかわらず、そのことを公言しない。
たくさんの人に恵まれ、協力を得ながら、一つの偉業を達成する春海の姿は、「自分もそうありたい」という気持ちにさせてくれる。