シーズン8が好調です、相棒。
新相棒、神戸尊のヘタレぶりがステキです。
そんな「相棒」がいかにすごい刑事ドラマであるかを、私の主観で勝手に紹介する当カテゴリ。
今回はシーズン5の第6話「ツキナシ」です。
自宅で何者かに刺されて男が殺される事件が発生。犯行時間は妻が風呂に入っていた20分間。同時刻に不審な男が付近を歩いていたとの情報が入る。その不審者こそ、ベストセラー作家、北之口秀一(役:川崎麻世)だった。
北之口があやしいと踏むが、彼は犯行を否認。警察に出頭して無実を訴え、マスコミに対して、現れない真犯人に出頭するよう促す。「真実は神の目が見ている」と。
そんな中、北之口のアリバイを証明する女性・沙織が現れた。彼女は北之口が犯行時刻に犯行現場から離れた場所にいる写真を出し、北之口のアリバイを主張する。しかし、右京はその写真の細工に気づいた。その写真には、その日その時間に映っていないはずの月が映っていたのだ。
写真の偽造は認めたが、沙織は自分が北之口の大ファンで、彼を助けようとして勝手にアリバイ工作をしたと主張。北之口も罪を認めようとしない。しかし、沙織が持っていた北之口の本の数々は、どれも初版本ではなく最近刷られたものばかり。沙織が北之口の大ファンであるというのも嘘だった。右京は真実を見逃さなかった。北之口は何かを隠そうとしている・・・
真相はこう。
実は北之口は盗撮魔だった。犯行時刻、風呂に入っている被害者の妻をビデオカメラで盗撮。帰り際に、たまたま殺害現場を目撃してしまった。その犯人こそ沙織だったのだ。北之口はその犯行現場を持っていたビデオカメラで撮影。しかし沙織に気づかれてしまう。
自分は殺人に対しては無実であるが、真実を話すことは、同時に自分が盗撮魔であることバラす事になる。自分の疑いを晴らすため、北之口は警察に出頭し、マスコミに「真実は神の目(つまりビデオカメラ)が見ている」と言って沙織を脅し、アリバイをつくれと訴えたのだ。そうして北之口と沙織の無言のアリバイ偽造契約が結ばれる・・・
自分の犯した罪を隠すために相手の罪を主張できない北之口。
自分の犯した罪を隠すために相手のアリバイを偽造する沙織。
そんな二人の周到な契約。
非常によくできたストーリーです。
「罪名はブランドじゃない」
「まして、罪を選ぶ権利などない」
右京と薫の名言集もたっぷりです。