時を経て、形を変えて立ち現れる文章

 

南行徳のナンギョウベースで今月末から開催される企画展「スマイル展」に、作品を展示することとなった。何かを創作して発表する、という行為からずいぶん離れた人生を生きてきた自分にとって、これは突拍子もないことだ。「作品って、何を?」言っている自分でも実感がわかないくらいだ。ただ、小学校の図画工作の授業や、中学校の技術家庭の授業の時に味わった、完成品が「よいもの」であることを夢見ながら手を動かし、創作したあの興奮を、大人になった今、ふたたび自分の身体に呼び戻したかった。その呼び戻すこと自体に意味があると思ったので、作品の完成度はひとまず二の次、とした。

 

エッセイを書いてプリントアウトし、額に入れて飾れるようにした。それだけのことだ。アートと堂々と呼べるかどうかは正直疑わしい。ただ自分の創作であることに変わりはない。

 

このブログで昔書いた記事に、テーマにぴったりのものがあったので、それを原案にした。文章を削ってスリムにしながら推敲、文字の大きさを調整し、A3サイズ1枚におさめた。絵でもなければ、書でもない。本でもない。アートと言って良いのかという疑問は今も消えないけれど、「表現形式は自由」という企画展の趣旨に甘えた。本屋の仕事を通して言葉で伝わるものの美しさを感じていたから、やはり私の表現方法は言葉だろう。その想いに素直に従った。

 

原案の記事がどれであるかはここでは伏せるとして、何年も前に、ただ思うがままに書いた文章が、時を経て形を変えて自分の前に立ち現れたことに、感動した。実写化した映画を観た時の小説家はこういう気持ちなのだろうか、と僭越にも勝手に想像する。ブログを書いていて良かったと心から思った。そしてこれからも、いつか別の形で表現される機会があるかもしれないと想像しながら、誇りをもって書き続けたいと思った。